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秋の野外薬草講座

9月の薬草講座の予定を変更して、野外観察をすることにしました。

秋の野草(薬草)を観察するには最適の季節ですからね。

台風接近の心配をしながらも決行することにしました。

参加者の一人が前日からてるてる坊主を作ってくれていたのが効いたのか

天気に恵まれ、むしろ暑いくらいの一日でした。

星くずを集めたようなニラの花には小さな虫がたくさん来ていました。

ニラの香りのもとは硫化アリルという成分。ネギの仲間ですね。血液の流れを良くしたり、消化を助ける働きや血圧降下にも役立つとされています。

水虫には葉を煎じた液を塗ると効果があるのだとか。

「ひっつきぼ」の名で知られる草イノコズチ。秋、無意識のうちに草むらに足を踏み入れると、この実が洋服にくっついて、取り除くのに苦労するので嫌われる植物の代表格ですね。

茎の中に寄生する虫によって節がふくれた姿が牛の膝に似ているというので、生薬名は牛膝(ごしつ)。

根を足腰や膝の痛み、排尿痛などに利用します。ヒナタイノコズチとヒカゲイノコズチとがあり、薬用にはヒナタの方がが効果があるとして牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)という処方に配合されています。


黄色い小さな花をいっぱいにつけるオミナエシは秋の七草のひとつですね。

山上憶良が詠んだ秋の七草の歌二首

 

秋の野に咲きたる花を指(および)折りかき数ふれば七種(ななくさ)の花

萩の花 尾花 葛花 なでしこ(瞿麦)の花 おみなへし(女郎花) また藤袴 朝顔の花(朝顔はキキョウのことだといわれています)

こちらはオトコエシ

オミナエシと同じように薬草として利用します。

生薬名はどちらも敗醤(はいしょう)。

腐った醤油のような臭いがするのでこの名がついたのだとか。

 

炎症を鎮め膿を排出する働きがあります。

オトコエシのアップです。花の時期を過ぎて果実ができています。

種子を包むように周りが円盤状になっているのが面白いですね。翼(よく)といいます。秋風に乗ってより遠くへ種子を運ぶ戦略なのです。

植物の花や果実の色や形にはすべて意味があることに感心します。


おなじみのツユクサがまるで青い星をちりばめたように一面に咲いていました。ツユクサは夜明けごろから花を開き始め、昆虫が活発に活動する午前中を過ぎると花を閉じる一日花です。

以前その様子を観察したことがありますが、12時過ぎから閉じ始め、午後3時ごろには完全に閉じてしまいます。

閉じるときに雄しべが雌しべに寄り添い、ぐるっと巻き込んで、それを青い花びらが包み込みます。こうして昆虫の助け以外にも自家受粉をする仕組みです。

生薬名は鴨跖草(おうせきそう)。

炎症を鎮めたりむくみをとる働きがあります。

観察している最中に私を含め参加者のみなさん、やぶ蚊の攻撃に悩まされました。

そのときこのツユクサの葉を揉んで刺されたところに汁をつけておいたら、いつの間にかかゆみも赤みもなくなっていました。

最後にみんなでランチを楽しんで解散しました。

来月も野外講座にしたいと皆さんのリクエストで、四王寺市民の森に行くことになりました。

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定休日   毎週水曜日

※中国医学研修のため、月に1~2回臨時休業することがあります。予めご了承下さい。

 

2024年4休業日

 定休日:3,10,17,24

 

 

イベント

   

リンパマッサージ体験

 実施日:(火)

 時間:14:00~16:00

 お一人様20分/500円

※実施日が火曜日に変わりました。

  

中医学基礎/薬草講座

 実施日:4月24日(水)

  時間:9:30a.m.~

   目的地:四阿屋遊泳場周辺

 参加費:500円  

 

※ 中国医学の基礎的な理論と季節の身近な野草(薬草)について知識を深め、さらに季節の特徴を加味した養生粥を作って食します。

 

※上記の参加費は災害被災地に義援金として寄付しています。 

昨年度分は能登半島地震被災地に日本赤十字社を通じて送金いたしました。